効果のない福利厚生制度を変えるたった一つの要素

時代遅れの福利厚生を変えるために必要なたった一つの要素

メンタルヘルス職場のポジティブメンタルヘルス
Team Intellect
Feb 2, 2023

Get the mental health support your company needs

Written By

Team Intellect

目次

今日、多くの企業の間で従業員のウェルビーイングをどのように担保、向上させていくかが議論されています。これらは、従業員のエンゲージメントや企業に対するコミットメントを高める施策の一部ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、仕事の性質や内容、チームへの帰属意識を醸成する方法がより複雑になっているのです。

マーサー・マーシュ・ベネフィット(以下、MMB)のヘルス&ベネフィット担当リーダー、ニール・ナラレ氏は、Intellect主催のメンタルヘルス・フェスティバル・アジア2022の中で、「私たちは、仕事が家庭生活に入り込む、非常に複雑な時代に踏み込みました」と述べています。

2020年のMMBの調査では以下のような点が報告されました:

  • 83%の人が週3回残業している
  • 64%が仕事をする順番やペースを調整できないと感じている 
  • 78%がメンバー間の協力が強く促進される企業文化の必要性を認識している

中でもインド、中国、シンガポールは、平均よりも高いストレスレベルが見られる国です。このような傾向から、従業員の福利厚生や就業規則の再設計が求められていますが、今の時代に効果的な従業員ウェルビーイング制度とはどのようなものでしょうか。Intellect主催のウェビナーでは、専門家が企業へのアドバイスとベストプラクティスを紹介しました。

従業員へのヒアリングをシステマティックに行うべき 

従業員の声を聞くことは、従業員の福利厚生プログラムを設計する上で、基礎的なことです」とニール氏は述べ、次のようなメリットを組織にもたらすと付け加えました:

  • 信頼、サポート、心理的安全性の構築 
  • イノベーション、共創、変革の促進 
  • コミュニティ、コラボレーション、シェアド・リーダーシップの育成

当然のことながら、2021年は38%の組織が従業員へのヒアリング活動を強化し、パルスサーベイ、エンゲージメントサーベイ、傾聴セッション、エグゼクティブリーダーシップトークなどを実施しました。「多くの企業が職場環境を見直し、52%が従業員と一緒にそれを作り上げているのは喜ばしいことです」とナラレ氏は述べています。物理的な職場環境だけにとどまらず、ウェルビーイングを高める制度を従業員と共に創造することで、企業は本当に価値のある福利厚生を提供できます。

The Secret Little Agency(TSLA)のゼネラルマネージャーであるミン・ウン氏は、ある事例を挙げて話します。食事時間中も仕事をすることが多くなっていたサーキットブレーカー中やロックダウン時に、ある社員が昼食時間を「聖なる時間」としてカレンダーに書き込んでいることに気づいたのです。そこで、休憩時間の必要性を認識した管理職は、すぐにこれを全社的に導入しました。

「オフィスに戻って就業を開始した今も、ランチタイムに休憩時間を設けています。簡単なことなんですけどね。結果、とてもよかったです。今でも、毎日スイッチを切ることを意識しています」とウン氏は言う。

新しいソリューションを開発するだけでなく、従業員の声に耳を傾けることは、非効率的な部分を発見することにもつながります。あるクライアントは、パンデミックの際、従業員がかかりつけの医者に受診することができず、福利厚生の利用率が低くなりました。このクライアント企業では、従業員の福利厚生を企業が規定するのではなく、どのように使いたいかを従業員と共にブレーンストーミングしました。すると、「在宅勤務をもっと充実させたい」という意見が多かったため、会社はそれを受け入れました。この選択肢は、現在も同社のフレックスプログラムに残っています。

「ウェルビーイング・プログラムの設計に特効薬はありません。組織を理解すること — 組織全体のウェルビーイングがどのような状態にあるのか、従業員の多様性、組織としてのアイデンティティ — に尽きます」とナラレ氏は言います。

同じMMBの調査によると、アジアの雇用者の77%が今年、福利厚生制度の見直しや変更を行っており、68%が従業員調査の結果として行っていると回答しています。

思いやりのある企業とは?

結局のところ、従業員の声に耳を傾けるとは、雇用主が従業員に配慮していることを示すことなのです。それは、健康的な職場環境を構築したり、従業員のメンタルヘルス向上に寄与する福利厚生を提供したり、家庭内の役割に対してサポートを提供したりすることが挙げられるでしょう。

ニール氏によると、従業員の声に耳を傾ける企業は、従業員の福利厚生システムに以下の4つの要素を取り入れているといいます:

  • 有意義な柔軟性:28%の雇用主がグループごとに福利厚生をカスタマイズして作成している
  • 支援的リーダーシップ:3人に1人が人間中心(human-centric)リーダーシップが重要だと回答 
  • 思いやりのあるコミュニケーション:84%がウェルビーイングに関する従業員への働きかけを計画
  • 医療費の補助:活躍する従業員の会社は、医療費の一部を負担する割合が2倍

MMBとIntellectの顧客は、まず、これらの項目をチェックすることで、すでに有望な結果を得ています。「大変興奮しました。ひとつは、デジタル接続性です。(我々の顧客は)非常に若い従業員を抱えており、誰もがスマートフォンで(MMBやIntellectの)ソリューションを使っています」とナラレ氏は言います。

「経営者に従業員のウェルビーイングに投資する一番の理由は何かと尋ねると、『より健康的な生活を送るため』という答えが返ってきます。それは、従業員のウェルビーイングがより生産的で、健康で、幸せで、熱心なチームを作ることにつながると、経営陣が認識しているからです」。

About Author

Team Intellect

社員が元気な会社は、幸せな会社

多くの社員がメンタルヘルスの課題を抱える現代。
それを放置すると、生産性の低下・バーンアウト・離職などの問題に発展します。
Intellectはそれらの問題を事前に防ぎ、組織全体のウェルビイーングのサポートをします。