デジタル時代の心の安全保障

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Team Intellect
May 15, 2024

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海外の地に発射されるミサイルがまるでゲームのように映像や画像として瞬時に目に入ってくる。遠く離れた国であっても、その時差は感じない。

ソーシャルメディアが私たちにもたらす情報の速さとアクセス性は、前代未聞のものになりました。遠く離れた場所で起きている出来事をリアルタイムで目にすることができる一方で、その情報がもたらす精神的な負荷や影響も無視できません。

人間はある程度のストレスや不安に対処する能力を持っていますが、常に過剰で残酷な映像や情報にさらされることは、心の健康に悪影響を与える可能性があります。

また、安全や平和に関する認識も変わってきています。過去には、自分の生活が比較的安全であることを感じることが容易でしたが、ソーシャルメディアを通じて世界中の問題に直面することで、その感覚が揺らぎやすくなっています。安全な生活が脅かされる可能性をソーシャルメディアを通して目の当たりにすることで、人々は不安や恐怖を感じることがあります。

ビジネスの世界に目を向けると、「コンテンツモデレーター」という職種への需要と共に、心のケアに焦点が当たりつつあります。「アダルト」、「暴力」「ヘイト」など、SNSに投稿される不適切なコンテンツを削除するなどの判断が求められる仕事です。1日に数十件もの悲惨な動画を見続ける過酷な仕事に対し、巨大なプラットフォーマーもコンテンツモデレータへの心の健康対策に乗り出しています。

実際に今世界のどこかで起きているトラウマの影響力はとても強く、二次的外傷性ストレスを引き起こすことがあります。トラウマの影響と聞くと、自らが体験したことのみだと考える人が多いですが、トラウマの恐ろしいことは周りにも影響を与え、知らず知らずのうちに私たちに様々な不調を引き起こします。例えば、日々の生活に無力感や困惑、孤立無援感を強く感じるようになったり、燃え尽き症候群が起きやすくなるような状況になったりもします。人間の共感という素晴らしい特徴が、あだになってしまう時です。

このような状況下で、自己のメンタルヘルスを守るためには、情報の摂取量や種類に気を配ることが重要になってきます。常に暴力的な映像や情報に晒されることは避け、自分の心の健康を守るための手段を見つけることが必要です。また、心理的な負荷を軽減するために、友人や家族との交流や趣味に時間を割くことも有効で コーチングを受けたり カウンセリングを受けることで、孤立感や疎外感を解消し、また日々の生活を充実したものにしてくことが大切です。

Intellectは、大手プラットフォーマーのコンテンツモデレーターへのメンタルヘルスサポートの提供の経験をもとに、 『メンタルヘルス・ウェルビーイングの支援をより身近に、親しみやすく、偏見のないものにするために』をモットーに コーチング、専門カウンセリングの大切さを皆様にお伝えしていきたいと思います。

 


 

PROFILE: 公認心理師 上村貴子

カリフォルニア州でマリッジ&ファミリーセラピーとアートセラピーの修士号を取得。米国で性暴力被害者支援センターや児童福祉機関で5年以上支援。日本帰国後、米軍関係者やサードカルチャーキッドを対象にトラウマやうつの治療経験を深める。現在、公認心理師として認知行動療法や弁証法行動療法を用い、Intellectで従業員メンタルヘルスを支援中。

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社員が元気な会社は、幸せな会社

多くの社員がメンタルヘルスの課題を抱える現代。
それを放置すると、生産性の低下・バーンアウト・離職などの問題に発展します。
Intellectはそれらの問題を事前に防ぎ、組織全体のウェルビイーングのサポートをします。